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2014/10/05.Sun

NHKスペシャル“認知症800万人” 時代「母と息子 3000日の介護記録」を観て-3

 NHKスペシャル“認知症800万人” 時代「母と息子 3000日の介護記録」について、私(作者oretomo)は以前、記事にしました(NHKスペシャル“認知症800万人” 時代「母と息子 3000日の介護記録」を観てNHKスペシャル“認知症800万人” 時代「母と息子 3000日の介護記録」を観て-2 参照)。

 最近になって、(私が考えるところの)疑惑が深まるような情報(以下のサイト)を見つけました。

  http://kibounomori.jp/blog/?p=225

 つまり、スタジオ出演していた専門家の一人が、この番組を見ようとする人に対して、「ひたすら、誤解なく、認知症ケアに示唆を与えられるものになることを祈るのみです」とスタジオ収録日から放送日までの間に言っているわけです。

 どうしてスタジオ出演した専門家が、わざわざ、こんなことを言う必要があるのでしょうか?

 この番組を「認知症ケア(介護)」という限定された視点以外で見られては困るから、としか私には思えません。


 ここで改めて、疑惑が事実だった場合、つまり、記録映像の中のお母様が、認知症に詳しい医師(認知症の専門医)による診断・治療を受けていなかった場合(あくまでも仮定の話です)の問題点を以下に整理してみました。


 まず、認知症に詳しい医師の診断・治療を受けていなかった人を、その事実を言わずに認知症のテレビ番組で取り上げていいのか、という根本的な問題があります。

 受けていなかったとしても、これは介護の番組であり「認知症の介護」と同じ介護の姿だったから問題ない、という反論があるかもしれません。

 しかし、どんな病気でもそうですが、その診断や治療によって介護のやり方は変わります。

 認知症では、その原因やタイプ、進行の程度、症状の現れ方などに合わせて的確な治療を受ける必要があります。

 また、認知症と似て非なる、治る(少なくとも進行を止められる)病気や、治るタイプの認知症もあります。

 つまり、正しい診断や治療に基づかない介護は、家族や周囲(担当のケアマネジャーや介護福祉士などの専門家を含みます)が介護をどれだけがんばったとしても、「適切な介護」と呼ぶことはできないでしょう。

 特に、治る病気という可能性があった人を、家族や周囲が治らない認知症と決めつけて、あるいは逆に曖昧にしたまま対応していたとすれば、大きな問題があると思います。

 必要な診断や治療を受けさせることは充分できたのに受けさせなかったとすれば、高齢者虐待という問題の可能性も生じます。

 認知症の疑いや初期の段階では、本人や家族が認知症とわからなくて、認めたくなくて、確定診断や治療を受けさせられないという場合もあるでしょうが…
 少なくともその後の、かかりつけ医や担当ケアマネジャーなどの医療・介護の専門家たちが係わるようになって以降は。

 当ブログ本編(記録・ノンフィクション)で、地方(このブログ本編の舞台は… 参照)において‘父親’が平成13年に「若年性アルツハイマー」と診断されて治療を始めた事実(平成13年-春-(2) 参照)などからすれば…

 この番組の記録映像の中のお母様について、認知症の(ような)症状が見られ始めた時期は当ブログ本編の‘父親’とさほど違わず、また暮らしていたのは東京(の都心に近いところ)ですから、時期や地域という点では、認知症のしっかりした診断や治療を受けることは充分可能だったはずです。


 それに、多くの治らない(進行も止められない)認知症のご本人とそのご家族は、相当な覚悟で認知症に詳しい医師のところへ行って最初の受診をして、治らない認知症という確定診断で大きなショックを受け、それでも病気を受け止めて…

 どんなに苦しくても、つらくても治療を、そしてその診断と治療に基づく支援や介護を受けて、あるいは行なっているはずです。

 この番組は、そういう人たちの思いに向き合っていないことになります。


 これらの問題があるかもしれない記録映像が「すばらしい認知症介護」や「認知症介護の理想の姿」といった言葉と共に放送され、しかも放送後ずっとNHKオンデマンドなどインターネット上で世界中の人が視聴できる状態にあって…

 また、この番組はNHKスペシャル“認知症800万人”シリーズの最初、先駆けである、といったことも問題になるでしょう。



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