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2018/07/29.Sun

平成28年-春-(21) クール枕パッド

 平成28年(2016年)の5月下旬になると、俺の住む地域は連日のように暑くなり、もうすぐ夏であることを強く感じた。


 母親は、まだ歯の治療が続いており、この時期も受診して、いつものように俺が自家用車で送迎した。

 この時期の母親の高額療養費の手続でも、俺は書類の作成を手伝い、市役所に送迎しつつ同行した。


 俺と母親は、部屋のベッドにいる時間が長くなった父親のために、特養は今年の夏も節電で可能な限り冷房を控えるだろうから、父親のベッドの枕に取り付けるための、接触冷感の枕パッドを探して買った。

 我が家の経済的なことがあるので、最初はディスカウントショップで安いものを買ったが、俺が試しに使ってみたら、冷感は弱かった。

 リクライニング車椅子のヘッドレストカバー代わりの枕パッド(平成27年-夏-(7) 参照)なら、これでもいいと思うが、ベッドの枕に使うとなると…

 結局、ショッピングモールの寝具売り場で、冷感がしっかりしている、ディスカウントショップより値段が高い「クール枕パッド」を買った。


 俺は、ハローワークに通いながら、英語に特化したパートの求人が出てくるのを待っていたが、5月末までに俺の住む地域では出てこなかったので…

 6月になったら、家庭教師か個別指導塾の講師の求人の中から選んで応募することにした(平成28年-春-(12) 参照)。



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平成28年-春
2018/07/27.Fri

平成28年-春-(20) 注射器のようなもの

 5月中旬も俺と母親が、父親が入居している特養(特別養護老人ホーム)の部屋に行くと…

 いつものように父親はベッド上で、体位変換によるクッションを使った少し横向きの、関節の拘縮や背骨の湾曲による縮こまった仰向けで、眠っていた。

 胸から足にタオルケットが掛けられていて、掛けられていない部分や隙間から、長袖シャツとスエットパンツが見えた。

 丸めたバスタオルを胸の前で抱えているようになっているのは、(拘縮対策で)脇の下に挟まれていたのがズレたからのようだ。

 前回の面会まで数日間汚れていた(ベッドの枕の)枕パッドは、きれいなものに交換されていた。

 ラジオが小さい音量でついていたが、それは消して、面会中はポータブルDVDプレーヤーを使って演歌・歌謡曲の(テレビ番組を録画・ダビングした)DVDを、ラジオと同じくらいの小さい音量で、かけた。

 介護スタッフさんが俺と母親の分のお茶を持ってきてくれて、その際、最近の父親は日中に眠ってしまうことが多いものの、食事の時間は起きて食べられているし、夜はちゃんと眠れているので、今も眠らせていてよい、という話をした。

 母親は「看取りファイル」読みなど、俺は父親のシェーバーの手入れ、歯ブラシ・コップ洗いなど、を静かにしていたら、父親が目を覚まし、自分の首のあたりを軽くつかんだ。


 その次に面会した日は、晴れて、やや暑かった。

 俺と母親が父親の部屋に行くと、父親はベッドで仰向けになっていた。

 ほどなく介護スタッフさんが来室して、10:00頃のトロミ付コーヒーを、この日は注射器のようなもので少しずつ父親の口の中に入れた。

 父親は、特にムセることもなく飲んだし、この方法がコップから一口分ずつスプーンですくって飲ませる(食べさせる)より効率的なのかもしれないが、やはり家族としては、機械的に栄養を注入されているようにも見えて、つらいし、寂しい…

 暑さ対策だろう、父親の部屋の窓が大きく開いて風が通るようになっていたが、どうやっても網戸が完全に閉まらず、隙間ができていて、このままだと夏に虫が入り放題になってしまうだろう。

 介護スタッフさんが俺と母親に、この日の天気に合わせてくれたのだろう、前回までの温かいものではなく、冷たいお茶を持ってきてくれた。

 この際に俺がスタッフさんに窓の隙間のことを話すと、近日中に補修してくれるそうだ。

 母親は、父親の初夏向けの衣類を家から持ってきて衣装ケースにしまい、その分入りきらなくなった冬物・冬寄りの春物を持ち帰った。


 その次の面会では、父親はベッド上で端に寄りすぎていて、枕に頭が乗っていなかった。

 この日は前回と打って変わって、少し寒いくらいだからだろう、父親の部屋の窓はしっかり閉まっていて、介護スタッフさんは俺と母親に、温かいお茶を持ってきてくれた。

 その際、スタッフさんに父親の体勢を直してもらった。

 できることなら、俺と母親で父親の体勢を直してあげたい。

 しかし今の父親は、それなりに食べていても体重が増えないので骨までしっかり栄養が届いているとは思えず、骨が弱くなっているだろうし…

 また、もうリハビリや訪問マッサージを受けていないから関節の拘縮が強くなっている、という2つの大きな骨折リスクがある。

 介護のプロではない俺と母親は、「自分たちが(今の父親の)身体を動かすと、怪我させたり骨折させたりしてしまうのではないか」という恐怖から、父親の身体を動かすことを、ためらってしまう…



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平成28年-春
2018/07/25.Wed

平成28年-春-(19) 父親のシャツ

 平成28年(2016年)の5月中旬、俺の住む地域は、雨が降った日は少し寒いくらいで、晴れた日は夏のように暑かった。

 この天気・気温の差の大きさのせいか、俺は疲れやダルさがひどかった。

 しかし、疲れていてもダルくても、父親と母親のための時間は減らせないし、なんとか毎日の勉強も、週一回のハローワーク(平成28年-春-(17) 参照)も続けた。


 俺と母親は、父親の初夏向けの上着シャツを買うために衣料品量販店に行った。

 すでに何着かあるが、だいぶくたびれたり目立つ汚れが取れなくなったりしたものがあるし、特養の洗濯サイクルなどを考えると、少なくとも1着は新しく買う必要があった。

 父親のサイズの初夏向けの薄手の長袖、という条件だけであれば、該当する服は店内に多くあったものの…

 他の季節のもそうだが、関節の拘縮がある父親の(上着)シャツには、できるだけ着替えさせやすいように、全前開きタイプ、脇の下が少しでも伸びる、といった条件が加わるので、それらを満たすものを見つけるのに、今回も苦労した。

 それでもなんとか見つけて買って、いつも父親の上着・下着シャツを買うと、すぐ家でやることだが、父親が昔から嫌がる首の後ろのタグを丁寧に取り外して、柔軟剤も使って洗濯した。

 最近は、タグ外しは俺が老眼鏡をかけて、ハサミや剃刀を使ってやるようになり、その後、母親が洗濯して(それが乾いて)から、特養に持って行く形になっている。



 俺と母親は、処方されていた目薬が少なくなってきたので、眼科医院を受診して、俺も母親も、同じ目薬を継続するように、と医師に指示された。


 母親は、歯の治療がまだ終わらず、歯科医院を受診し、いつものように俺が自家用車で送迎した。


 母親は今年も、家の広くはない庭の一角で、野菜を育て始めた。

 少しの世話でもそれなりに実るものだけで、食費の節約にもなるし、母親の生きがい、というと大げさだが、生活の張りにもなっているようなので…

 俺は母親の体調が心配だが、「やめてほしい」とは言えない。


 日曜日に弟一家が、母親とショッピングモールへ買い物に行ってきた。

 俺の弟が母親に「母の日」のプレゼントをしてくれたようで、俺としては、弟の気持ち・してくれたことはうれしいが、我が身を振り返ると、つらい(平成27年-春-(15) 参照)。


 父親が入居している特養から、父親の先月分の請求書と生活記録が家に届いた。

 4月の父親の生活記録に書かれていることの多くは、面会中にスタッフさんから聞いたことと、部屋にある「看取りファイル」に書いてあったことと重なるが、それ以外では、父親に笑顔や反応が多く見られたそうだ。


 この時期、テレビのニュースを見ていたら、この国のオリンピック組織、都知事、大きな自動車メーカー2社など、ウソや疑惑が次々と出てきたようだ。



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平成28年-春
2018/07/22.Sun

平成28年-春-(18) ゴールデンウィーク

 5月上旬も俺と母親が、父親が入居している特養(特別養護老人ホーム)の部屋に行くと…

 父親はベッド上で少し横向きの仰向けになっており、関節の拘縮のせいで、また訪問マッサージを受けられなくなったこともあるだろう、相変わらずヒザは強く曲がっている。

 毛布がだいたい全身にかかっていて、かかっていない部分から、長袖シャツとトレパンが見える。

 ネックピローは、首にも手首にもしていない。

 この日の父親は、ほとんど目ヤニはついていなくて、手で肩をかいたり、俺が父親の手を握ると強く握り返したりした。

 俺は、ついていたラジオを消して、面会中は、家から持ってきたポータブルDVDプレーヤーと、最近のテレビの歌謡曲番組を録画・ダビングしたDVD-RWディスクを使った。

 介護スタッフさんが、俺と母親の分のお茶と、父親の分の(10:00頃の水分補給のトロミ付)コーヒーを持ってきてくれた。

 スタッフさんは、父親のベッドの上半身部を少し高くして、父親の首の後ろあたりを軽くマッサージしてから、全介助で父親に、スプーンを使って一口ずつコーヒーを飲ませた(食べさせた?)。

 父親は、特にムセもなくスムーズに飲んでくれた。

 スタッフさんは俺と母親に、最近の父親はよく身体を動かすなどの話をして、少し間をおいてから、父親の脇の下にバスタオルを挟んだり足にクッションを挟んだり、といった関節の拘縮への対応をしつつ、ベッド上での姿勢を直した。


 その次の面会では、父親の目頭・尻に目ヤニがこびりついていて、俺がお湯で絞ったタオルで、慎重に、できるだけ拭き取ったが、やはり少し嫌がられた。

 父親が寝ているシーツの枕の横あたりに、一週間くらい同じ汚れが付いたままだ。

 もともと人手不足である上に、ゴールデンウィークで特養の休日体制が続いていて、さらに人手不足になっている、そこまでスタッフさんの手が届かない、ということは俺も母親もわかるから、「シーツを交換してほしい」とスタッフさんに言えない…


 ゴールデンウィーク明けの平日に面会した時は、休日体制が終わったからだろう、父親のベッドのシーツはきれいなものに交換されていて、また、ベッドで仰向けの父親にかけられているものが、毛布からタオルケットに替わっていた。

 それだけ暖かくなったということであり、夏が近づいたということでもある。

 父親はベッド上で、少し声(うなり声?)を出したり、身体を動かしたりした。

 俺は、父親のシェーバーをハンドソープを使って水洗いして、母親は、父親の歯ブラシを新しいものに交換した。

 日常の介護スタッフさんの口腔ケアでは、主にスポンジブラシが使われているらしいが、歯科衛生士さんの口腔ケアの時など、まだ歯ブラシが使われることがあるようなので、1~2か月に1回くらいは歯ブラシを交換する必要がある。



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平成28年-春
2018/07/20.Fri

平成28年-春-(17) 面会の回数

 平成28年(2016年)の5月に入ると、俺の住む地域では、雷を伴った強い雨が降ったり、強風が吹いたりしたが、その後、天気はおちついた。


 5月上旬の、天気がおちついた後、まだゴールデンウィーク中のある日、母親は(俺の)弟一家と一緒に、弟が自家用車を運転して山の観光地へ行ってきた。

 母親は、その日帰り旅行は楽しかったようだが、それから体調が悪くなった。

 体調の悪さと、高血圧などの内科の継続的な病気で処方されていた薬が少なくなったので、母親は内科医院を受診した。

 体調の悪さについては大きな問題はないと診断され、その後、数日で改善した。


 腰痛が小さくなった俺は、ハローワークに週一回くらいのペースで行くようになった。

 週ごとに新しい求人が出て、俺は英語に特化したパートの求人が出てくるのを待っているからだ(平成28年-春-(12) 参照)。

 とはいえ、そのように待てるのはせいぜい5月末までと決めており、出てこない場合は、家庭教師か個別指導塾の講師の仕事に応募することになるから…

 俺は、英語の実力を維持する学習をしつつ、中学生の英語以外の教科、数学・理科・社会・国語の勉強も始めたのだが、この4教科の勉強がけっこうきつくて、俺がだいぶ疲れている要因の一つになっているようだ。


 父親が総合病院を退院してから、俺と母親は週に3~4回、特養に入居している父親に会いに行っている。

 正直、疲れるし時間も取られるし、俺が働き始めることも考えると、回数を減らしたい。

 しかし、入院前は共同スペースにいても周りに比べて一人だけ年齢がずっと下で、若年性アルツハイマーが重度まで進行していたこともあって孤立していて…

 退院後は部屋に一人でいる時間が長くなって、さらに寂しそうに見えて、また、医師からは「終末期」と言われているし、さらに、介護スタッフさんが人手不足で、手が届きにくくなっているところを家族でなんとかしたいと思うと、面会の回数を減らせない…



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平成28年-春
2018/07/18.Wed

平成28年-春-(16) 特養家族会の懇談会

 4月下旬の次の面会は日曜日で、特養入居者家族の懇談会があって、俺も母親も参加した。

 特養を含む介護施設の会議室で、特養のブロックで分かれて行われ、そのブロックの介護スタッフのリーダー(的な人?)と、俺と母親を含めて15人くらいの入居者家族が参加した。

 まず、そのスタッフリーダーさんの説明があって、俺の父親が入居しているブロックの入居者数は父親も含めて30人ほどで、そのうち、寝たきりかそれに近い人は10人くらいで、今はもう、父親もその10人の中に入っているようだ…

 このブロックを担当している介護スタッフさんたちの中で、男性は一人だけ、また、夜間の介護スタッフさんは毎晩一人だけ、とのこと。

 男性スタッフをもう少し増やしたいそうで、また、夜間は同じ施設のショートステイの介護スタッフさんと協力しているそうだが、やはり、深刻な人手不足なのだろう。

 その後、入居者家族が意見を言う時間も設けられたが、人手不足の話を聞いた後では、特にスタッフさんたちへの要望が出るはずもなく、いくつか質問が出て、スタッフリーダーさんがそれに答えるだけで、終わった…


 その次の面会では、いつものように父親は部屋のベッドで少し横向きの仰向けになっていたが、ベッドの端についている、褥瘡予防のためにマットレスを少しずつ動かす装置が、前回までと違うものになっていた(平成28年-春-(11) 参照)。

 新しいものらしく、体重設定などがデジタル表示されるのだが、その数字を見ると、父親の体重の少なさ・減ったことを認識させられるし(平成28年-春-(14) 参照)、また、動いている時の音が以前のより少し大きい気がした。

 父親は、眠ってイビキをかいていたかと思えば、目を覚まして身体を少し動かしたりした。


 その次の面会中、介護スタッフさんが父親の部屋に、俺と母親の分のお茶と丸椅子を持ってきてくれた際、父親の現状について、俺と母親に話した。

 ここしばらく父親は、10:00頃に(トロミ付)コーヒー、15:00頃に(トロミ付)ジュースという(全介助の)水分補給をしていたが、朝昼夕のミキサー食はそれなりの量を食べられているのに体重が少ないまま、増えないからだろう…

 つい最近、医師の指示で、コーヒーとジュースを(トロミ付)エンシュアに切り替えた(戻した)とのこと。

 それを聞いた俺は、父親にとって10:00頃のコーヒーは楽しみのようなので、できれば10:00頃の方はエンシュアでなくコーヒーにしてほしい、と頼んだ。

 確かに体重は増えてほしいが、そのために楽しみがなくなるのはどうだろう、と思ったからで、スタッフさんは「検討してみます」と答えた。

 スタッフさんから、俺と母親が相談していた、父親のリハビリと訪問マッサージの再開については、PT(理学療法士)とOT(作業療法士)に診てもらった結果、「効果より負担の方が大きそうなので再開しない」ことになったそうだ。

 その一方で、介護スタッフさんが、日常の介助の前後などに、父親の関節や筋肉を軽くほぐしたりマッサージしたりしている、とのこと。



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平成28年-春
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