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2009/06/24.Wed

平成13年-夏

 父親の再就職が決まった。

 父親の学生時代の友人の1人が地元の有力者になっていて、父親は、認知症(若年性アルツハイマー)であることがはっきりする前に、病院を辞めた後のことをその人に相談していた。

 俺の父親の認知症を知らない(はずの)その人がいろいろ働きかけてくれて、父親はある団体に理事として勤めることになった。


 俺は当然、父親の病気を考えて悩んだ。

 しかし、この理事というのは1年ごとに更新(再任)され、基本的に平日は通勤しなければならないものの、団体のトップである理事長がたいていのことは決めてしまい、ほとんどの実務は職員が受け持つので、父親が理事になっても重要な判断を迫られることや細かい作業をすることはない、ということを人づてに聞いて、大丈夫かもしれないと思った。


 父親の認知症の主治医も「本人がいやと言わず、さほど精神的な負担にならない仕事であれば、1年くらいやらせてもいいのでは」と言ってくれたし、自分から進んで取り組む趣味もなく、仕事以外の友達も少なく、ほとんど仕事だけが生きがいだった父親には少しでも長く働いてもらうほうがいいだろうと俺も母親も思った。


 何より、父親がそれなりの額の年金を受け取れるようになるのは、しばらく先だし、こちらで正社員として働き始めようとしている俺の給料が主な収入という形になったら、家計が心もとない。


 俺は春から何度もハローワークに通って、ようやく、正社員として長期間働ける仕事が決まった。

 しばらくして、ほぼ同時期に俺はその就職先の会社で、父親は再就職先の団体で働き始めた。
 父親は約3ヶ月ぶりの、俺は生まれて初めてのマイカー通勤だ。



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