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2018/03/08.Thu

平成27年-秋-(17) トイレに連れて行けない

 10月下旬も俺と母親が、特養(特別養護老人ホーム)に入居している父親に会いに行くと…

 いつものように父親は共同スペースの、わりと元気なおばあちゃん入居者たちから少し離れたところで、リクライニング車椅子に座っていた。

 少しおちつかない感じだが、ヘアカットしてもらって髪はスッキリしていた。


 3人で父親の部屋に移動してから、俺は老眼鏡をかけて、LEDライト付き耳かきを使って父親の耳掃除をした。

 横に傾きがちのせいで上向きになりやすい方の耳から髪切りクズと耳アカが、逆の耳から大きな耳アカが取れた。

 やはり老眼鏡をかけると、俺は父親の耳穴がよく見えてやりやすいし、より手早くできるから、これまでのかけていなかった時より、父親にかかる負担も小さいはずだ。

 短時間なら老眼鏡をかけていてもしんどくならないし、本当に便利だ。


 父親と同じ部屋の隣スペースの男性入居者は、ここしばらく、ずっと風邪をひいているようだ。

 ベッドで寝たきりで、介護スタッフさんが忙しく来室した時に、「水を飲みたい」と言ったら、断られた。

 聞こえてきた会話から推測すると…

 胃ろうになって長いことに加えて、最近の風邪のせいで飲み込みに不安があるようで、スタッフさんがゆっくり飲ませられる時間があるとき以外は、無理なようだ。

 もちろん、充分な水分量は取れている、ということもあるようだが。


 スタッフさんが退室した後の父親は、歯ぎしりがひどくなり、震えが手から全身に広がった。

 俺が父親のリクライニング車椅子を押して、母親がその横について共同スペースに行くと、ちょうど(この特養を含む介護)施設の看護師さんがいたので、父親の状態について話すと…

 父親が強めの便秘になったために浣腸して、そろそろ便が出そうになってもおかしくない頃なので、それで歯ぎしりや身体の震えが強くなっているのでは、ということを看護師さんは言うと、すぐに共同スペースを出て行った。

 それを聞いた俺は、父親をトイレに連れて行ってやりたかったが、まだ腰痛が強くて、転倒リスクが高い父親のトイレ介助を、母親が手伝ってくれたとしても、できる状態ではない。

 二人の介護スタッフさんの手が空いていたら、一人だとしても頼んで、俺が協力すればなんとか、とも思ったが、共同スペースに一人だけいるスタッフさんは他の入居者にかかりきりで、スタッフルームには誰もいない…

 俺には風邪の症状も出始めていて、父親や周りの特養入居者さんたちにうつるかもしれないことを考えると、スタッフさんの手が空くのを待って長居することはできない。

 俺は、本当に父親に申し訳ないし、自分が情けなかったが、共同スペースに一人だけの忙しそうなスタッフさんに父親の状態と看護師さんの話を手短に伝え、なるべく早く父親をトイレに連れて行ってほしいと頼んで帰るしかなかった。



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平成27年-秋