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2018/03/16.Fri

平成27年-秋-(21) 暗い部屋

 父親が入院した翌日、俺と母親が病院の面会許可時間である午後に面会しに行くと…

 ナースステーションで、父親が昨日とは別の部屋に移ったと言われて、その病室の前に行くと、部屋の中の全患者のオムツ交換などを一気にしているそうで、しばらく廊下で待たされた。

 病院スタッフに面会してよいと言われて病室の中に入ると、そこは男性の高齢者だけの6人部屋だった。

 いわゆる「高齢者病棟」で、男女は別の部屋になるから、男性の高齢者だけなのは当然だが…

 それとなく俺が父親以外の5人を見たら、みんな弱々しく、元気がなくて、鼻からの経管栄養や胃ろうらしき人が複数いる。

 そして、テレビやラジオがついている人はいなくて、静かだ。

 この日の天気は悪くなくて、病室の窓も南向きで大きくて明るいのだが、雰囲気は暗かった…

 この雰囲気では、父親に音楽のようなものを聞かせようと思ったら、なるべく家族が面会に来て、その間だけラジオを小さい音で聴かせるのが精一杯のようだ。

 父親は奥のベッドで、クッションで少し横向きの仰向けになっていて、病院衣を着ており、その中はサーフシャツと紙オムツのようで、布団は腹から足の範囲に掛けられていた。

 眠そうで、点滴中で、頭の下(枕の上)にはアイスノンのようなものが敷いてある。

 片ほおの赤みと腫れはまだあるが、昨日よりは良くなっているように見えた。

 担当医師が来室して、俺の父親は、まだ顔は少し腫れているが熱は下がり、経過は良好だと俺と母親に言った。

 ほどなく医師が退室したので、俺と母親は、家から持ってきた紙オムツ、尿取りパッド、シャンプー、ボディソープ、洗濯物を入れる大きな袋代わりのゴミ袋などを、父親のベッド横の棚の中に入れた。

 紙オムツと尿取りパッドは、在宅介護の頃に市から支給されて、未開封のまま少し残っていたものだが、それが使われてしまったら、家族がドラッグストアなどで買って持ってこなければならない。

 ベッド横のバケツの中に洗濯物が入っていて、母親がゴミ袋に入れて、それをさらに大きな紙袋に入れて、持ち帰れるようにした。

 俺は、もう一枚のゴミ袋をバケツにセットした。

 俺と母親は、父親に声をかけてから、帰った。


 その次の日、俺は特養(入院する前に父親がいた特別養護老人ホーム)に行って、まず生活相談員さんに父親の前日までの状況を話して、また、入院している間、特養での口腔ケアとマッサージをキャンセルしてくれるように頼んだ。

 それから、俺と母親が特養に着くと父親がいることが多かった共同スペースに移動すると、そこにいる入居者さんは少なかった。

 介護スタッフさんに、病院に持って行きたい父親の私物があるので取りに来た旨を話してから、二人部屋の父親のスペースに行くと…

 仕切りのカーテンだけでなく窓のカーテンも閉まっていて暗く、その中に、父親が総合病院に連れて行かれた時に病院でも座っていたリクライニング車椅子が、戻ってきていた。

 俺は、父親のタオル、下着シャツ、靴下などを持ち帰った。



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平成27年-秋