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2018/04/06.Fri

平成27~28年-冬-(2) おかゆ、ゼリー

 …前(下)の記事~ 平成27~28年-冬-(1) ~の続きです。

 看護師に父親の現状を聞いたら…

 父親は時々、発熱しているが、高熱というほどではなく大きな心配はしなくてよさそう、とのことだ。

 発熱については、父親は体温調節ができにくくて周りの高めの温度の影響を受けて熱中症のように体温が上がりやすいことは、特養に往診もしている担当医師は知っているはずだが、改めて俺がそのことを看護師に話すと、担当医師に伝えるとのこと。

 また、父親は朝昼夕、特にムセもなく食べているが、食べようとする量が増えないので、栄養を補うための点滴をやめられないし、退院の見通しも立たないそうだ。

 俺は、父親が入院前はそれなりの食欲で必要な量を特養で食べていて、入院してほどなく皮膚細菌感染症は治ったのに、なぜ食欲と食べる量が増えないのか疑問に思い、病院の看護師に、これまで父親は何を食べてきたのかを聞いたら…

 この病院では、治療のため絶食した入院患者は誰でも、その後に「おもゆ」を食べて(飲んで)、一定以上の量の「おもゆ」を食べられるようになったら「おかゆ」を食べて、一定以上の量の「おかゆ」を食べられるようになったら次に進むのだが…

 父親は、それを食べる量が増えないので、「おかゆとゼリー」が続いていて、増えないのは、飲み込みの力の低下や身体が弱ってきたことだけが原因とされているようだ。

 俺は、愕然とした…

 たとえば俺が病気で入院して絶食したら、その後、味のない(あっても薄いであろう)おもゆ、おかゆ、ゼリー(お茶やジュースのゼリー)でもがんばって食べるだろう。

 それは、がんばって食べれば次に進み、徐々に様々な味や栄養の物を食べられることを理解しているからだ。

 しかし、それを理解してがんばることは父親のような人には無理で、味が無い、あっても同じで薄い、そして栄養も少ない「おかゆとゼリー」ばかり食べさせられていたら、食べる力も意欲も無くなってくるのは、当然だ。

 俺は、かつて父親が入院した精神病院で聞いたことを思い出して、エンシュアなども使って、もっと様々な味や栄養の物を食べさせてほしい、と頼んだ(平成21年-春-(14) 参照)。

 この総合病院の規模からすれば、その精神病院でできることは、できるはずだから。

 特養でも、医師の指示が必要かもしれないが、その精神病院のような食事の提供をしてくれるはずだし…

 しかし、看護師の答えは、この病院ではそのような対応はしない、一定以上の量の「おかゆとゼリー」を食べられるようになるまで、他の物を飲ませたり食べさせたりはできない、の一点張りだった。

 俺は、この総合病院の食事のせいで父親が弱っていくことを、容易に想像できた。

 点滴も続き、父親本人も針を刺される時に痛くてつらいだろうし、俺も母親も、父親の点滴あざが増えていくのを見るのは、つらい…

 俺は、特養で父親の「若年性アルツハイマー」を往診していた精神科医師のいる、アルツハイマー病に配慮して対応するであろう精神病院へ父親を転院させることも考えたが…

 すぐには無理だろうし、その精神病院・精神科医師と、この総合病院・父親の担当医師は連携が取れていないようだから、転院が大変であることは想像できるし、また、父親にとって、この状況での転院は、できれば避けたい「急な変化」でもある。

 俺は、どうすればよいか、わからなくなってしまった。

 俺の父親に対してだけでなく、この病院では、「身体が弱って入院した高齢者は基本的に、病院で死ぬか、経管栄養にして退院するかのどちらかしかない」という考え方のようだ。

 全国的な新聞・テレビ・雑誌からすると、看取りといえば、(病気やケガが深刻な状態でなければ)自宅で看取るか施設で看取るか、という選択を迫られるようになってきたが…

 父親がこの総合病院で死ぬことは決まっていて、それが今回の入院なのか、今回は経管栄養にして退院して、次かその次の入院なのか、という選択を俺は迫られているように感じた。

 そのどちらでもなく、もう住み馴れて、人手不足でもできる限りの介護をしてくれてきた特養で、なるべく自然に近い形で亡くなっていくのを看取りたいと望んでいる俺と母親は…

 「何を考えているんだ?」といった目で見てくる病院の医師・看護師・スタッフたちに、機会を見つけては自分たちの希望を話す、という苦労をすることになった。

 公共のメディアや場でウソをついた側にいない俺に、こういうことで味方してくれる人は、見つからない…



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平成27~28年-冬