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2018/06/29.Fri

平成28年-春-(8) ネックピロー

 3月下旬、その次の面会でも父親は部屋のベッドで仰向けになっていて、首絞め・首かきを防ぐために俺と母親が買ってきた、程よい大きさで軽いクッションを、介護スタッフさんにことわってから、父親に胸の前で抱えさせてみると…

 苦しそうな表情にはならないが、軽いせいか自分で動かしてしまい、結局、首をつかんだりかいたりするようになって、その力が時々強くなる。

 介護スタッフさんが俺と母親にお茶を持ってきてくれた際、相談して、100円ショップなどで売っているネックピロー(首枕)を家族が買ってきて、試すことになった。

 この数日後から、父親の首回りや、かく手の手首あたりにネックピローをはめるようにしたら、少しは効果があったが、充分には抑えられず、できる限りの見守りなどで対応しながら、試行錯誤が続くことになる。

 皮膚細菌感染症で総合病院に入院する前のように、鎮静剤のような精神薬を父親に飲ませれば、強く首をつかんだりかいたりしなくなるかもしれないが…

 そうすると副作用で、ようやく戻った、口から食べる・飲みこむ能力を弱める可能性などがあるので、俺と母親は精神薬を望まず、介護スタッフさんからも医師からも、精神薬の話は特に出なかった。


 その次に面会した日は、俺と母親が特養に着いた時に、父親は久しぶりに、部屋のベッドに寝ておらず、共同スペースでリクライニング車椅子に座っていた。

 前回まで、食事の時以外は部屋のベッドにいたことを考えると、さらに元気になったと言えるだろう。

 全介助で、ミキサー食とはいえ三食それなりの量を食べられて、トロミ付とはいえ10:00頃と15:00ころにはコーヒーなどを飲めて、部屋の外にいられる時間も長くなり…

 総合病院の入院前とそんなに変わらない生活なのに、入院前と違って「終末期」と診断されていることに、俺と母親は疑問を持つようになった。

 父親は、長袖シャツとスエットパンツを身につけていて、首・肩あたりにはマフラータオルが、腹から足にはバスタオルが掛けられていた。

 また、時々あることだが目ヤニがひどく、そして、トロミ付コーヒーを飲ませてもらった直後だったようで、口まわりが少しベタベタしていた。

 スタッフさんにことわってから、父親をリクライニング車椅子に乗せたまま家族3人で父親の部屋に行くと、父親がいなかったから当然だが、加湿器もラジオもついていなかった。

 俺は、加湿器は動かして、ラジオはつけずにポータブルDVDプレーヤーで歌謡曲番組DVDをかけた。

 俺は、お湯で絞ったタオルで、そっと、できるだけ、父親の目ヤニと口周り汚れを拭き取った。

 父親は、手の動く方向がやや上下になるリクライニング車椅子に座っていると、手が水平に動くベッドで仰向けの時と違い、重力によってか手が首のあたりまで上がりにくいようで、首をつかんだりかいたりすることは、なかった。



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平成28年-春