FC2ブログ
2018/07/27.Fri

平成28年-春-(20) 注射器のようなもの

 5月中旬も俺と母親が、父親が入居している特養(特別養護老人ホーム)の部屋に行くと…

 いつものように父親はベッド上で、体位変換によるクッションを使った少し横向きの、関節の拘縮や背骨の湾曲による縮こまった仰向けで、眠っていた。

 胸から足にタオルケットが掛けられていて、掛けられていない部分や隙間から、長袖シャツとスエットパンツが見えた。

 丸めたバスタオルを胸の前で抱えているようになっているのは、(拘縮対策で)脇の下に挟まれていたのがズレたからのようだ。

 前回の面会まで数日間汚れていた(ベッドの枕の)枕パッドは、きれいなものに交換されていた。

 ラジオが小さい音量でついていたが、それは消して、面会中はポータブルDVDプレーヤーを使って演歌・歌謡曲の(テレビ番組を録画・ダビングした)DVDを、ラジオと同じくらいの小さい音量で、かけた。

 介護スタッフさんが俺と母親の分のお茶を持ってきてくれて、その際、最近の父親は日中に眠ってしまうことが多いものの、食事の時間は起きて食べられているし、夜はちゃんと眠れているので、今も眠らせていてよい、という話をした。

 母親は「看取りファイル」読みなど、俺は父親のシェーバーの手入れ、歯ブラシ・コップ洗いなど、を静かにしていたら、父親が目を覚まし、自分の首のあたりを軽くつかんだ。


 その次に面会した日は、晴れて、やや暑かった。

 俺と母親が父親の部屋に行くと、父親はベッドで仰向けになっていた。

 ほどなく介護スタッフさんが来室して、10:00頃のトロミ付コーヒーを、この日は注射器のようなもので少しずつ父親の口の中に入れた。

 父親は、特にムセることもなく飲んだし、この方法がコップから一口分ずつスプーンですくって飲ませる(食べさせる)より効率的なのかもしれないが、やはり家族としては、機械的に栄養を注入されているようにも見えて、つらいし、寂しい…

 暑さ対策だろう、父親の部屋の窓が大きく開いて風が通るようになっていたが、どうやっても網戸が完全に閉まらず、隙間ができていて、このままだと夏に虫が入り放題になってしまうだろう。

 介護スタッフさんが俺と母親に、この日の天気に合わせてくれたのだろう、前回までの温かいものではなく、冷たいお茶を持ってきてくれた。

 この際に俺がスタッフさんに窓の隙間のことを話すと、近日中に補修してくれるそうだ。

 母親は、父親の初夏向けの衣類を家から持ってきて衣装ケースにしまい、その分入りきらなくなった冬物・冬寄りの春物を持ち帰った。


 その次の面会では、父親はベッド上で端に寄りすぎていて、枕に頭が乗っていなかった。

 この日は前回と打って変わって、少し寒いくらいだからだろう、父親の部屋の窓はしっかり閉まっていて、介護スタッフさんは俺と母親に、温かいお茶を持ってきてくれた。

 その際、スタッフさんに父親の体勢を直してもらった。

 できることなら、俺と母親で父親の体勢を直してあげたい。

 しかし今の父親は、それなりに食べていても体重が増えないので骨までしっかり栄養が届いているとは思えず、骨が弱くなっているだろうし…

 また、もうリハビリや訪問マッサージを受けていないから関節の拘縮が強くなっている、という2つの大きな骨折リスクがある。

 介護のプロではない俺と母親は、「自分たちが(今の父親の)身体を動かすと、怪我させたり骨折させたりしてしまうのではないか」という恐怖から、父親の身体を動かすことを、ためらってしまう…



ランキングや拍手をクリックして応援していただけると、うれしいです。

  にほんブログ村 介護ブログ 若年性認知症へ
平成28年-春