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2018/11/03.Sat

平成28年-秋-(15) デンタルリンス

 10月中旬も俺と母親が、父親が入居している特養(特別養護老人ホーム)の部屋に行くと…

 父親はベッド上で、(褥瘡予防のための体位変換による複数のクッションを使った)やや横向きの仰向けになっていて、眠そうだった。

 母親は、先日、俺の弟が家(弟からすると実家)に来た時に受け取った、弟の子供(父親と母親にとっては孫)たちが写っている数枚の写真を持ってきて…

 父親が目を覚ました感じになった時に見せてから、そのうちの1枚を、部屋の棚にあるフォトフレームの中のと交換した。

 棚の上の「看取りファイル」には、昨夜の父親はよく眠れなかったことが書かれていて、壁の連絡用ホワイトボードには、スタッフさん同士の連絡用だろうか、昨夜、父親の痰を吸引したことが記号のようにメモされていた。

 介護スタッフさんが来室して、俺と母親に温かいお茶と丸椅子を持ってきてくれた。

 その際にスタッフさんは、父親の日常(毎日)の口腔ケアについて、父親を担当している歯科衛生士さんによると、もう「歯磨きムースと歯ブラシ」では難しく、「デンタルリンスとスポンジブラシ」に切り替えた方がよいとのことなので…

 デンタルリンスを家族の方で買って持ってきてほしい、と俺と母親に言って、それから退室した。

 父親は、毎日歯ブラシで磨くことに耐えられないくらい歯や歯茎が弱くなった、スポンジブラシに含ませる(だけの)デンタルリンスの方が歯磨きムースより誤嚥リスクが低い、といった理由なのだろう。

 この日の面会は、いつものように午前中で、昼少し前に女性の介護スタッフさん2人が来室して、父親をベッドからリクライニング車椅子に移して、共同スペースまで連れて行ってくれた。

 腹と足が覆われるようにバスタオルを掛けてくれたが、日々少しずつ寒くなってきて、しかし特養では暖房がまだ使われないので、服の上に掛けるのがバスタオルだけでは、少し寒そうに見えた


 その次の面会では、父親は部屋のベッドで、やや横向きの仰向けになっていたが、片方の手首に大きくて濃いアザがあった。

 父親が身につけているのは、全前開きタイプの長袖上着シャツ、その中は全前開きマジックテープ留め式下着シャツで、下はトレパン、その中は紙オムツ+(男女兼用)尿取りパッドか布オムツ+オムツカバーのどちらかだろう。

 また、(もう薄手ではない)靴下を履いていて、タオルケットが胸~足に、布団は腹~足にかかっていた。

 父親の部屋の中の壁に掛かっている連絡用ホワイトボードには、昨夜に父親が痰の吸引をされたことがわかるメモが書かれていた。

 介護スタッフさんが、俺と母親に温かいお茶と丸椅子を持ってきてくれた。

 その際、俺が父親の手首のアザについて聞くと、リクライニング車椅子に乗っていた時か入浴中に、どこかにぶつけたと思われるとのことで、スタッフさんからは謝罪の言葉もあった。

 また、この時のスタッフさんとの話で、歯磨きムースと「誤嚥しにくいコップ」は持ち帰ることになった。

 このコップは約4年前に特養に持ってきた福祉用具で(平成24年-秋-(35) 参照)、斜めになっていてアゴをあまり上げなくても飲めるものだが…

 もちろん液体を飲める人向けの物であり、父親が、飲み物もトロミ付けされて、スプーンですくって食べさせてもらうようになった頃には、もう使われなくなっていた。

 そのスタッフさんが退室して、その後しばらくすると、介護スタッフさん2人が来室して、二人がかりで父親をベッドからリクライニング車椅子に移した。

 もうすぐ(特養を含む介護)施設のホールで、特養入居者参加型の歌イベントが始まるからだ。

 ホールは少し寒いので、俺はスタッフさんに頼んで、これまでのバスタオルだけでなく、家から持ってきたベスト(チョッキ)を父親の上半身に、そしてバスタオルより暖かいハーフケット(ヒザ掛け)を腹から足に、掛けてもらった。

 上半身に掛ける物は、ベストだと下にずり落ちてくるので、カーディガンにして袖の部分を肩に掛ける方がいいのだが、父親は身体が縮こまってしまっており、肩と車椅子の背面がしっかり接触せず、袖が車椅子の車輪やブレーキに引っ掛かって危険になりそうだ。

 ベストやカーディガンをスタッフさんに着せてもらうという方法もあるが、特養の共同スペースや部屋では着せてしまうと暑そうで…

 かといって、関節の拘縮が強い父親に、ホールに行く時だけ着せてもらい戻ってきたら脱がせてもらう、というのはスタッフさんにとって大変なので…

 ベストをかけてもらう、というところにおちついた、というか、そうするしかなかった。

 俺が父親の車椅子を押して、母親がその横で見守りながらホールへ移動した。

 歌イベント中の父親は、ずっと眠そうだった。



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平成28年-秋