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2009/06/16.Tue

平成12年-夏

 31歳になったばかりの俺は、東京から両親のいる実家に帰ってきた。


 実家は地方都市の市街地の端にある一軒家で、周りは住宅地だが、畑も残っている。

 バス停まで歩いて15分くらいで行けるが、その路線がとても長いので、特に朝晩は、時間通りバスが来ることが少なく、使いにくい。
 自家用車がなければ通勤も買い物にも不便なところだ。


 俺の4歳年下の弟が結婚して実家を出て行くことになり、独り者で長男の俺が入れ替わった形だ。

 両親の老後の面倒をみようなどという殊勝なことを考えていたわけではないが、弟の新しい家庭が落ち着くまでは、俺が親と一緒にいたほうがいいと思ったし、何より、東京での先の見えない一人暮らしに疲れてしまっていた。


 俺は、高校卒業後、大学に入る時に実家を離れ、東京近郊で暮らしていた。

 大学卒業後、東京でサラリーマンをしていた頃、結婚するチャンスはあったと思うが、交際していた女性と結婚の話が進みそうになると、働いていた会社が倒産する等のトラブルが起き、ダメになった。
 結婚していたら、そのまま東京かその近郊で生活し続けただろう。


 父親は59歳で、多くの診療科があるそれなりに大きな総合病院の、事務系の幹部職員として働いていた。
 この総合病院は家から割と離れたところにあり、家族は誰も行ったことがなく、詳しいことは知らなかった。

 タバコは吸わず、酒も外では飲むが家ではあまり飲まず、基本的に健康と言えた。
 ただ、通院するほどではないが、目と鼻が少し悪かった。


 母親は56歳の専業主婦で、数年前に大きな病気をしたことがあり、病弱というほどではないが、健康に不安があった。



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